投稿日 : 2005年10月27日 20時48分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re: Re: SONORITE発売!
URL http://www5e.biglobe.ne.jp/~dokyo_pr/
SONORITEさま こんばんは。

>著作権等ややこしい問題もありますが、また録音聞かせてください。
>マーラーの最初にアップした録音、かなり好みでした。

ありがとうございます。
マーラーは楽曲には著作権がありませんので、本番の録音を一寸公開してみました。
ご感想などをいただければ幸いです。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~dokyo_pr/

投稿日 : 2005年10月28日 01時50分
投稿者 JONY
Eメール esprit-chord@mbp.nifty.com
タイトル Re:マーラー本番いいですね
URL
 masaさん、こんにちは。
 SONORITE さん、横レスごめんなさい。

 本番の演奏録音を聴かせていただきました。
 へんな表現かもしれませんが、マーラーの精髄が響き渡っていますね。
 直接音と間接音のバランスがすごく良く録れているのではないでしょうか。
 これで聴衆の雑音がなければ、と思ってしまいます。ケータイのスイッチ切り忘れる人
がやっぱりいるんですよねえ。。。
 演奏もプロオケと聴き違えそうなほど、ですね。

 お聞きしてみたいのは、客席中央のアンビエンス用の 4006 のミックスバランス。
メインマイクに対してどのくらいなのでしょうか・・・
 金管打楽器の炸裂をうるさく感じさせずに弦の艶やかさを出すのは、なかなか両立しない
のをうまく処理されていると思いました。

 試聴は、masa さんが使っていらっしゃるのと同じ UA-1000 をインターフェースにして
ATH-A9X で聴いてみましたが、高音域(ちょうどシンバルの音域)がかなり延びていて
数dB上昇しているかのように聴こえました。これは、DPA 本来の音調とは少し違って
いるように私には聴こえます。ATH-A9X は、ここまでハイ上がりではないですし。
 ミキサーの音調、あるいは UA-1000 のADの音調なのでしょうか。
 それとも、コーディングの影響なのでしょうか。

 全体のイメージは、私自身がオーケストラに求めているイメージの方向と近くて
共感するところ大です。

投稿日 : 2005年10月28日 02時30分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re:マーラー本番いいですね
URL
JONYさん こんばんは。

> 演奏もプロオケと聴き違えそうなほど、ですね。

ありがとうございます。

> お聞きしてみたいのは、客席中央のアンビエンス用の 4006 のミックスバランス。
>メインマイクに対してどのくらいなのでしょうか・・・

各トラックをノーマライズした上でアンビエンスはメイン吊の-8dBです。

>数dB上昇しているかのように聴こえました。これは、DPA 本来の音調とは少し違って
>いるように私には聴こえます。ATH-A9X は、ここまでハイ上がりではないですし。
> ミキサーの音調、あるいは UA-1000 のADの音調なのでしょうか。
> それとも、コーディングの影響なのでしょうか。

とりあえずEQはあまり使っていません。
もし、UA-1000のヘッドフォン端子で聴いたのであれば、ADというよりはヘッドフォン
アンプの癖かもしれません。私もATH-A9Xでモニターしますが、UA-1000のヘッドフォン
アウトは高域が強調されると感じています。
UA-1000のアナログアウトからSANSUIのアンプにいれてそのヘッドフォン端子でモニター
した場合や完成したファイルをCDに焼いて普通のCDプレイヤーで聴いた場合はそれほど
ハイ上がりには聞こえません。

> 全体のイメージは、私自身がオーケストラに求めているイメージの方向と近くて
>共感するところ大です。

重ねてありがとうございます。
ミックスはsamplitudeで行いましたが、メインの吊を基準に補助マイクの位相補正を数
ms〜数十msで行なっています。
いろいろやってみて判ったのですが、この補正は非常に重要でした。
録ったままですと、各マイクの距離が離れているせいか、音に濁りが生じます。いつか
の投稿(「微妙な混濁について」だったかな?)の中でJONYさんにもご意見をいただき
ましたが、最近はその主な原因はメインマイクとアンビエンスマイクとの位相差(距離
差)だったのかな?と思っています。
今回アップした録音では、マイク間の距離差(時間差)を微妙にコントロールすること
によってホールトーンが割とうまく表現されたかなと思っています。
それにしてもまだまだ分からないことだらけです。

投稿日 : 2005年10月28日 09時22分
投稿者 おでん
Eメール
タイトル Re: Re: Re:マーラー本番いいですね
URL
masaさん、横レスですみません。
とても参考になりました。

ところで、位相の補正はどれだけ補正するのか、
どう判断されていますか?
私は耳で聞いて、勘と試行錯誤でやっているのですが、
やはり経験しかないのでしょうか?

投稿日 : 2005年10月28日 12時43分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re: Re: Re:マーラー本番いいですね
URL
おでんさま こんにちは。

>ところで、位相の補正はどれだけ補正するのか、
>どう判断されていますか?

基本は録音時の各マイク間の距離です。1mあたり2.94msぐらいとしてメインマイクまでの
おおよその目測距離から割り出します。(10mなら29.4ms)
あとは波形を見たり、各楽器の配置とマイクの位置とで推測の上、加減してみて最後は全体
の音色で決めるといったところでしょうか。
特にアンビエンスマイクがステージから離れている場合、おおよその距離や波形(バスドラ
やティンパニが見やすい)から推定して時間軸を合わせて、そこからリヴァーヴのプレディ
レイのように遅らせてたり進めたりしてみると調整しやすいと感じました。
しかし、この方法が正しいかどうかについては自信がありません。

>やはり経験しかないのでしょうか?

私には豊富な経験があるわけでないのですが、最終的にはそうなるのでしょうね。

あと、N社の人から上記のような位相補正は必要ないという話しを聞いたことがありますが、
○○アワーなどを見ても判るとおり、あのようにたくさんのマイクを分散して立てていれば
それぞれのマイク間の位相ずれは僅かであり、全体のマイクをミックスした時にはメインマ
イクとアンビエンスの4chで録って、マイク間が15mは離れているなどという位相のギ
ャップは発生しないからなのかなあなどと考えているところです。

投稿日 : 2005年10月28日 23時11分
投稿者 JONY
Eメール esprit-chord@mbp.nifty.com
タイトル Re:5マーラー本番いいですね
URL
 masa さん、こんばんは。(さきほど帰宅しました。)

 位相補正で、あんな自然な空間感をみごとに創っておられたのですね。
 これはたいへん参考になりました。私の場合は、オケの録音にアンビエンスマイクを使う機会が
今のところないのですが、やれる機会がありましたら同じようにやってみたいですね。
 私も遅ればせながら、Samplitude を導入しましたので、マルチチャンネルでの位相補正は、
いずれチャレンジすることになるでしょう。そのときは、アドバイスをいただくことがあるかも
しれません。どうぞよろしくお願いします。

 UA-1000 のヘッドフォンアンプの音調がハイ上がりに聴こえる原因ですか。うーん。
 最近、Samplitude でのマスタリング用に買ったのですが、おっとっと、これはちゃんと確かめなければ。
チェロとピアノのプロジェクトの時には、そのようには感じませんでしたが・・・
 UA-1000 のヘッドフォンアンプに難があるようでしたら、CEC のヘッドフォンアンプが手ごろな価格
とサイズ、音質もまずまずなので、コンピュータラックに導入するのも悪くないな・・・と考えたりしています。
(別室のリスニング用ラックには AT-HA2002 を置いています。)
マスタリングの時に聴こえる音で仕上げをするわけで、たいへん大事なものですからね。
 では。

投稿日 : 2005年10月29日 23時 6分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re:5マーラー本番いいですね
URL
JONYさま こんにちは。

> UA-1000 のヘッドフォンアンプに難があるようでしたら、.....

少しハイ上がりに聞こえるといった感じで、「難がある」とまでは思いません。慣れて
しまえば済む程度のバランスの差で、ヘッドフォンの機種による音質の違いほど顕著で
はないと感じます。また、音の鮮度としては決して悪くないと思います。

UA−1000を1年ちょっと使ってみて、ヘッドフォンアンプの感想としては、瑞々
しさが少しだけ足りなくて、元気のいい音、でも音が乾いているという印象はなくて、
ブリリアントな感じはとても良く表現される。といったところでしょうか。

投稿日 : 2005年10月29日 01時56分
投稿者 SONORITE
Eメール
タイトル Re: 位相とディレイ
URL
> masa さん、こんばんは。(さきほど帰宅しました。)

おなじくです(笑)。

斎藤宏嗣『CD優秀録音盤800』音楽之友社 ONブックス (1990年頃)

に、デンオンはB&Kの無指向性マイクを用いて、メインマイクと補助マイクの
位相差を解消するためにデジタルディレイを使って自然な音場をつくり出している
という記述がありましたが、masaさんの方法はまさにこれ。

問題があるとすれば、

・そもそも時間差があるから立体感、エコー感があるのだから、時間差を解消したら
 どうなるのか?
・遅延の結果、想定外のサウンドが生じないか?

でしょうね。
デッカツリ−等でマイク間隔が厳密なのも位相問題からでしょうし、
マイキング時の位相チェックも欠かせませんね。

masaさんのリハ録音に刺激を受け、私もホール中央部の天井からアンビエンスを
垂らしてオケ録音をやってみました。これからミックスなので、うまくいったら
どこかでお耳にかけましょう(^^。高弦ののび、低弦の量感が顕著に変わります。

ちなみにN...響の録音をしている方はアナログミキサーのフェーダーで
メイン(4010)10に対して木管(SCHOEPS)5、アンビエンス(SONY)5、Cb、Timは少々
でした。スコアを見ながらTuttiは全体に絞りめ、弱音はあげる、をリアルタイムに
操作。まさにプロ。そこに至るにはリハから入念に準備するのはいうまでもなく。

しかしハイサンプリングになって位相問題もより先鋭化してきた、といえそうですね。

投稿日 : 2005年10月29日 11時46分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re: 位相とディレイ
URL
SONORITEさん こんにちは。

>問題があるとすれば、
>
>・そもそも時間差があるから立体感、エコー感があるのだから、時間差を解消したら
> どうなるのか?

解消するのではなく、時間差を調整するという考えです。

>・遅延の結果、想定外のサウンドが生じないか?
>
>でしょうね。

メインの吊り位置だと響きを録るには演奏体に近すぎ、間接音と直接音の音量差も大き
過ぎます。また、間接音(残響)の多く含まれる音を録るにはどうしてもステージから
離れた位置にマイクを置かなければならないので、どうしても時間的ギャップが大きく
なります。より多い間接音をメインマイクの新鮮な音とうまくミックスするには、離れ
て録ったアンビエンスマイクとの時間差を適当に近づけることで行えるのではないか、
と考えました。もうひとつの要素はメインマイクでも離れたアンビエンスマイクでも、
ある楽器から出た音が最初にそれぞれに入る瞬間は必ず直接音であるということです。
したがって充分に離れたアンビエンスのCHにも一番最初には必ず直接音が到達し、その
次にその他の反射音が到達し録音されているはずです。最初の直接音のタイミングを合
わせれば、その後の反射音は当然ディレイがかかりますので「時間差がなくなる。」と
いうことは起こらないと思います。
また、そこを基準にして少し遅らせるといった方法で人為的なディレイを作ることも出
来ます。

>マイキング時の位相チェックも欠かせませんね。

これは、具体的にはどうするのですか?

>私もホール中央部の天井からアンビエンスを垂らしてオケ録音をやってみました。
これからミックスなので、うまくいったらどこかでお耳にかけましょう(^^。高弦の
のび、低弦の量感が顕著に変わります。

ぜひぜひ、お願いします。

>ちなみにN...響の録音をしている方はアナログミキサーのフェーダーで
>メイン(4010)10に対して木管(SCHOEPS)5、アンビエンス(SONY)5、Cb、Timは少々
>でした。スコアを見ながらTuttiは全体に絞りめ、弱音はあげる、をリアルタイムに
>操作。まさにプロ。そこに至るにはリハから入念に準備するのはいうまでもなく。

私はミキサーというものをろくに使ったことがないのですが、アナログの卓にもdelay
というものがあるのでしょうか?

投稿日 : 2005年10月29日 20時19分
投稿者 いしだ
Eメール
タイトル Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
 私も最近4chマルチ?というかアンビエントにサブマイクを立てて4chで録音したことがあるのですが、メインに距離分のディレイを掛けて、適度にサブをミックするする方が確かに良さそうです。メインの繊細さとサブの残響との良いとこ取りを考えているのですが、そのままのミックスよりは自然です。
 理論的な考えはmasaさんのおっしゃる通りだと思いますので、音源が単一もしくは集中している場合には有効な方法かと思います。まあでもそのまま4chで再生した方が更に良いのですが。

投稿日 : 2005年10月29日 20時45分
投稿者 おでん
Eメール
タイトル Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
masaさん、
とてもわかりやすい説明、ありがとうございます。

やり方とその結果を照らし合わせることがでるので、本当に勉強になります。

SONORITEさんの、
>・そもそも時間差があるから立体感、エコー感があるのだから、時間差を解消したら
> どうなるのか?

というのは私も考えていましたが、
時間差を録音にふさわしいものに作り直すというスタンスで
とりあえずやっています。
masaさんと同じ意見なのではと思います。

技術というより、センスの問題になりますね。
エンジニアとしての技術が昔より簡単になったとは言え、
このセンスが出来を左右するポイントだと思います。

投稿日 : 2005年11月01日 18時46分
投稿者 pontion
Eメール FZK03757@nifty.com
タイトル Re: Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
pontionです、
アンビの時間補正はどうすれば正しいのか..ですが、

この話はそもそもメインマイクとは別の離れた場所にアンビを吊るという時点で、違った場所での到達音を使って
あたかも遠いところから返ってきた間接音に見せかけるわけですから、原理的に正しいもへったくれもないわけです、
それらしく見せ掛けるだけ。メインマイクのところに到達する反射音じゃないですからね。言ってみれば多重録音を使った
残響の一人二重奏です。弦吊りで補強したりするのも見掛けの音源数が増えちゃうわけだから、そういう意味では同じ捏造。
再生装置のグレードが上がれば所詮バレてしらけるもの。
ただ、そういう原理的に原音忠実な収録ではなく"合成"をやったとしても、それらしく上手くやれば、しばらくはバレない
で気持ちよく聴けますから、効果的な方法を知っているのは損ではないし、本当に忠実な録音をしたいときにも、そのとき
考察された聴感認知の原理はきっと役に立つでしょう。

でもって、ちょっと実験と併せて考えてみたんですが、
メインマイクに対して戻ってくる後部反射音郡を再現しようとしていますが、それをメインマイク位置での収録とせず
ホール後方で収録するというのはどういうことでしょう。
メインマイクとは離れた位置だということは反射波の構成がメインマイク位置とは異なりますから、メインマイクの位置
とは大いに矛盾した反射波を聴かなければならないということです。まるでどこまでバレずに我慢できるか、それは聴く
人の聴力の分解能次第であり、また再生装置の能力にも拠るでしょう。

アンビを左右に大きく距離をとって吊っているってのもなんなのでしょう。
この場合、左右のアンビマイクでの信号相関は人間が認知できる時間差を超えてしまい、もはや個々のモノラル信号でしか
ありません。なので注意深く聴けばわかるのですが、これを左右のスピーカーやヘッドフォンから再生すれば、スピーカー
ではそれぞれのモノラル音が左右のスピーカーにへばりつき、ヘッドフォンでは左右の耳元近くで鳴り、自然な空間音とは
程遠い左右別々の(それぞれに反射波が固まった)単独音しか再生されません。反射波の代わりに拍手を聴けばもっとよく
判ります、拍手が全方向から自然に聴こえない系では反射波だって全方向を再現できません。この音はメインマイクの
ステレオにどう加算されても自然の全方向から来る反射音の聴こえ方とは違います。全方向からのファンタム定位が構成
される条件ができていないから当然です。
この矛盾を聴き取れない人がいますが、その多くはスピーカー再生方式の問題です。
スピーカー再生は部屋という余計な空間での非常に短い遅延の反射波がたくさん加算されるので、こういう微妙な時間差
情報が聴き取り難くなります。先ほどの左右モノラルのアンビも適当に部屋での反射が付いて方向の矛盾が埋もれてしまい
ます。部屋の反射がどれだけこういう情報を見え難くしているかは無響室あるいは反射の無い野外でスピーカー再生して
みれば解ります。矛盾だらけのアンビマイクやマルチマイクは途端に馬脚を露わします。
つまり収録された反射音を聴いているのではなく反射音を一旦部屋という反射板に再反射させ、モノラル音源の定位感を
あいまいにボカして、なんとなくそれらしい音に聴かせています。サラウンドのリアでやっても同じこと。モノラルアンビ
2本とスピーカー再生とはセットなんですね。こういう録音のCDをヘッドフォンで聴いて「ヘッドフォンは音が頭の中に
入ってきて不自然」とか言ってる人がいますが、合成がバレているだけじゃないですか。

アンビマイクを吊るのでも残響の全方向ファンタム定位をちゃんと出す方法はあります。そもそもアンビ収録とステージ演奏
の収録でファンタム定位の出る原理は変わりません。なのでアンビもORTFやNOSのようなステレオペアにすればいいです。
先日もNT5のオフ特性確認のためにM川崎でアンビ吊り2本をアームで連結して収録してみましたが、後部残響が自然な
ファンタム定位のステレオフォニックで聴き取れます。
しかしなぜ商業録音の多くはあまりアンビをそういう方法で録らないのか、これは私の想像ですが、2つの非相関信号は
別々のモノラル定位になってしまいますが、定常音については(あたりまえですが)音程が同じで位相関係がデタラメな信号と
なり、逆相感で適当に広がり感が出て残響付加には効果的...という次元のことなんでしょうか。

masaさんはアンビマイクに入る直接波の扱いを気にしておられますが、私も重要だと思います。
なぜかといと、メインとアンビの2箇所収録のため直接波が2度来てしまうからです。直接波と1次反射波郡ひとつずつとは
音色がまったく異なりますから、アンビマイクの信号をそのままメインにミクスするとアンビマイクに入る直接波がとても
目立ちます。結果オーライな人はこれを"1次反射波の一発目"と見立てて適当にバランス取っちゃいます。要は低め調整ですね。
ところで脱線しますが、ミクス比を気にしておられた方がいらっしゃいましたが、メインマイクの位置での直接音とアンビ
マイク位置での残響音を同時に聴きたいのであれば原理的に同比(1:1)ですね。しかしアンビには強烈な直接音が1波めに
入って来るので、遅延を掛けないでミクスするにはこいつが一次反射波のようなレベルになるように低め調整しないと自然な
感じにならない。よって-10dBとか-15とかに下げざるをえない。おかげでアンビに含まれる肝心の1次〜高次反射波が低く
なってしまう。
masaさんは先ずアンビとメインの直接波を一旦重ねることを提案なさってます。ここで興味深いのはこの重ねた状態で、
アンビマイクの直接波がメインのそれに隠れてしまって目立たないので、そのぶんアンビのレベルが上げられるという
ことです。微妙な位相差が取りきれずクシが出そうですが長距離空気伝播でボヤボヤになっているから干渉はあまり判ら
ないでしょう。しかし、この方式はアンビをかなり進み調整しますから、残る初期反射波が早すぎるんですね。後部残響音は
時間に鈍感ですから50mSぐらいの調整は平気ですが、初期反射が早いと濁り感が大きくなり息苦しくなります。
このアンビマイクの直接波がかなり影響している様子は、サンプリングリバーブを用いてIRデータから直接波だけを切り
取ってコンボリューション掛けてみてもよく解ります。

要は、アンビマイクの信号から直接波を切り落とせない限り原理的に大きな不整合があり、それがどれぐらい感知されて
しまうかで"自然な残響"に聴こえるかどうかが決まります。ここで聴感で自然な位置に遅延を調整すると、アンビの直接波を
メインの初期反射一発目と錯覚するあたりに調整されるのでしょう。レベルも相当下げなければなりません。
というかアンビマイクをホールの後ろのほうに吊る習慣は、自由に遅延が付けられなかったアナログ録音時代の"生活の知恵"
でしょう、直接音のレベルのだいぶ落ちますし。

でもアンビの直接波をメインの波形を使って打ち消すなんてのも出来ないでしょうから、結局のところ不整合の無いホール
トーンの収録方法は、メインマイクの指向性をコントロールするか、メインマイクの位置で後ろ向きにマイクを付ける..
ぐらいしか思いつきません。"後ろ向き"はフラムを揃えても高域の位相が合いませんからサラウンドのリアぐらいにしか
使えないでしょうけどね。

ちなみに、SONORITEさんのおっしゃるデンオンの時間補正の件は、アンビでなくステージ上の補助マイクのことですから、
ちょっと状況が違いますね。(実はこの話はガセビアだという情報もありまして、そういう検討はされたが実際には行わな
かった..とか)


こいうの考察するときは、なるべく音源から耳までの伝達関数を考えると解りやすいし、聴感が錯覚しているなどに気づけます。

投稿日 : 2005年11月02日 02時39分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re: Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL http://www5e.biglobe.ne.jp/~dokyo_pr/
pontionさま 皆さま こんばんは。

真摯なレスポンスに大変感謝しております。

>この話はそもそもメインマイクとは別の離れた場所にアンビを吊るという時点で、違った場所での到達音を使って
>あたかも遠いところから返ってきた間接音に見せかけるわけですから、原理的に正しいもへったくれもないわけです、

私も全くそのとおりだと思います。

>それらしく見せ掛けるだけ。メインマイクのところに到達する反射音じゃないですからね。言ってみれば多重録音を使った
>残響の一人二重奏です。弦吊りで補強したりするのも見掛けの音源数が増えちゃうわけだから、そういう意味では同じ捏造。

マルチチャンネル(5.1chとか)のことはまだあまり良く判りませんが、いわゆるステレオでの再生を前提としたホールトー
ンの表現はもともとが捏造なんだと思います。
その中で「如何に心地よく聴かせるか。」「如何に会場で聴いているような錯覚を起こさせるか。」というところで録音技
術者は日々研鑽を積んできて今日の「録音技術」を創り上げてきたのだと認識しています。

私はこの掲示板で「素人の浅知恵」のような書き込みをしているわけですが、そのような「プロフェッショナル」な世界を
決して甘く見ているつもりはありませんのでどうかお許しください。

>再生装置のグレードが上がれば所詮バレてしらけるもの。
>ただ、そういう原理的に原音忠実な収録ではなく"合成"をやったとしても、それらしく上手くやれば、しばらくはバレない
>で気持ちよく聴けますから、効果的な方法を知っているのは損ではないし、本当に忠実な録音をしたいときにも、そのとき
>考察された聴感認知の原理はきっと役に立つでしょう。

本当に忠実な録音とはどのようなものなのでしょう?
当初、クラシックのTV番組やwaldさんお勧めのショルティVPOのリング全曲での録音風景を視て「こんなにマイクをたくさ
ん立てるんだ。」と一寸不思議に思っていました。というのも実際に演奏会場に足を運んで聴くときは自分の二つの耳で全て
の音を聴くわけです。もし、完璧に理想的な特性のマイクと録音機材があれば2本のマイクをもっとも良く聞こえる客席の位
置にセットして録音すれば、あんなに沢山のマイクは必要ないのでは?
大体にして、ステージ上のあのように楽器に近いところにマイクを何本も立てて何をしているのだろう?もしかして楽器ごと
の音量の調節でもしているのだろうか?もしそうだとしたら、下手に調整されれば演奏者側で苦労して音量バランスの調整を
しているのに壊されてしまうのではないだろうか?
実際にある野外コンサートではそのような使われ方をしていてがっかりしたこともありましたが、今となっては本来そういう
目的でマイクを林立させているのではないことが判ってきました。
話がそれましたが、メインの吊りとステージ上に置いた補助マイクをミックスした時点でもう既にその音は「捏造された音」
なのです。
しかし、これらのマイクから録音された音(4chでも100chでも)を確固たる理論と技術に基づいて、より正しく混合し、結果
としてステレオの再生装置からあたかもホールで聴いているかのような音で再生されるよう、創作(まるで錬金術のよう)す
ることが真の意味での「録音技術」だと考えています。また、そういう意味で録音技術者には「芸術家」のような性質もある
と思います。

>でもって、ちょっと実験と併せて考えてみたんですが、
>メインマイクに対して戻ってくる後部反射音郡を再現しようとしていますが、それをメインマイク位置での収録とせず
>ホール後方で収録するというのはどういうことでしょう。

私はこの方法についてDPAのサイトの記述からヒントを得ました。そこには「拡散した音場」を直接音と反射音の割合が1
:1以下の(直接音より反射音の方が大きい)エリアと定義し、その収音について触れています。
実際に客席で音楽を聴く時は、席の位置にもよりますが、直接音と反射音の比率は大体同じぐらいというイメージがあったの
で、やはり吊りマイクの位置では直接音の比率が大きすぎると考えました。(これは仮に吊り位置から客席上方の空間に向
けたマイクで反射音を録ったとしても、です)

>メインマイクとは離れた位置だということは反射波の構成がメインマイク位置とは異なりますから、メインマイクの位置
>とは大いに矛盾した反射波を聴かなければならないということです。

仰るとおり吊り位置に戻ってくる反射波は客席位置に戻ってくる反射波とは大きく違うでしょう。決定的な違いはホールの最
後部周辺の壁面から反射した音のレベルです。これは上にも書いたとおり、吊り位置から反射音を録ることでは代用できませ
ん。
また、どのようなホールでも聴衆(客)として演奏を聴くときには、ほとんどの人が吊りマイクの位置に椅子を置いて聴くことより、より残
響の良く聞こえる(又は直接音と間接音の比率が心地よい)客席で聴く方を選ぶでしょう。また、良いホールであれば客席に
最も良い反射音が戻るよう設計されており、アンサンブルの妨げにならないという理由で吊りマイクに近いステージ上にはあ
まり余計な反射音は戻らないように設計されているようです。
まあ、ヨーロッパのほうのシューボックス(ただの箱)ではそんな計算があったとは思えませんが、音は良いですねえ。

>アンビを左右に大きく距離をとって吊っているってのもなんなのでしょう。

今回の場合はホールの構造によります。(これ以外できないのです)

>この場合、左右のアンビマイクでの信号相関は人間が認知できる時間差を超えてしまい、もはや個々のモノラル信号でしか
>ありません。なので注意深く聴けばわかるのですが、これを左右のスピーカーやヘッドフォンから再生すれば、スピーカー
>ではそれぞれのモノラル音が左右のスピーカーにへばりつき、ヘッドフォンでは左右の耳元近くで鳴り、自然な空間音とは
>程遠い左右別々の(それぞれに反射波が固まった)単独音しか再生されません。

実際にアンビのみ再生すると「スピーカーにへばりつく」という感覚とは少し違いますが、少なくとも定位はほとんどなく、
ボヤーッとした音の混沌が録音されています。

>反射波の代わりに拍手を聴けばもっとよく判ります、拍手が全方向から自然に聴こえない系では反射波だって全方向を再
現できません。

この「系」とは最終的に2つのスピーカーから再生するという意味での「系」ということでよろしいのでしょうか?

>この音はメインマイクのステレオにどう加算されても自然の全方向から来る反射音の聴こえ方とは違います。
>全方向からのファンタム定位が構成される条件ができていないから当然です。
>この矛盾を聴き取れない人がいますが、その多くはスピーカー再生方式の問題です。
>スピーカー再生は部屋という余計な空間での非常に短い遅延の反射波がたくさん加算されるので、こういう微妙な時間差
>情報が聴き取り難くなります。先ほどの左右モノラルのアンビも適当に部屋での反射が付いて方向の矛盾が埋もれてしまい
>ます。部屋の反射がどれだけこういう情報を見え難くしているかは無響室あるいは反射の無い野外でスピーカー再生して
>みれば解ります。矛盾だらけのアンビマイクやマルチマイクは途端に馬脚を露わします。

私の経験では、ヘッドフォンで聴くよりもスピーカーから再生したほうが「馬脚」を現しやすかったと思います。特にアマ
オケ特有のピッチのずれ(要するに和音が合っていない)やピッチの揺らぎ(延ばしている音のピッチが途中で変動する)
がとても不快に聞こえてしまう(実際にその場で聞いているよりも明らかに強く不快に感じる)といった具合です。
また、このことが位相の調整に手を付け出したきっかけでもありました。

>つまり収録された反射音を聴いているのではなく反射音を一旦部屋という反射板に再反射させ、モノラル音源の定位感を
>あいまいにボカして、なんとなくそれらしい音に聴かせています。サラウンドのリアでやっても同じこと。モノラルアンビ
>2本とスピーカー再生とはセットなんですね。こういう録音のCDをヘッドフォンで聴いて「ヘッドフォンは音が頭の中に
>入ってきて不自然」とか言ってる人がいますが、合成がバレているだけじゃないですか。

でも、合成してない録音など皆無といって良いですよね。
如何にバレないように各トラックを録音し、そして合成するか。

>アンビマイクを吊るのでも残響の全方向ファンタム定位をちゃんと出す方法はあります。そもそもアンビ収録とステージ演奏
>の収録でファンタム定位の出る原理は変わりません。なのでアンビもORTFやNOSのようなステレオペアにすればいいです。
>先日もNT5のオフ特性確認のためにM川崎でアンビ吊り2本をアームで連結して収録してみましたが、後部残響が自然な
>ファンタム定位のステレオフォニックで聴き取れます。
>しかしなぜ商業録音の多くはあまりアンビをそういう方法で録らないのか、これは私の想像ですが、2つの非相関信号は
>別々のモノラル定位になってしまいますが、定常音については(あたりまえですが)音程が同じで位相関係がデタラメな信号と
>なり、逆相感で適当に広がり感が出て残響付加には効果的...という次元のことなんでしょうか。

逆相で適当に.....は案外あるかもしれないと思います。
最近の自分の録音でステージから比較的近い場所にアンビマイクを立て、A-Bの50cmぐらいで録音したことがありますが、
これは各楽器の定位が全くなく、しかもステージに比較的近い場所だったので直接音の割合も高く、メイン吊りので得られた
定位を大きくスポイルする結果となりました。これは、アンビ位置の反射音はその場にいて聞いたときを再現するように録れ
ていても、メインとミックスするという前提で反射音を録るのであれば、直接音の定位についても重要視する必要があると思
われます。
仮にステージから充分に離れた位置でNOSやORTFのように狭い間隔で録音した場合、反射音の位相は正しく録れるとしても僅か
ながら(50%ぐらい?)含まれる直接音の位相は殆どモノラルとなり、これを大き目のバランスでミックスするとせっかくメイン
に録音された定位を壊してしまいます。この問題を避けるためにアンビマイクの間隔を大きく広げ(まあ、少しぐらい広げた
だけじゃ直接音の定位はそれほど期待できませんが)、メインマイクの定位を壊さないようにしていると考えることもできそ
うです。
このことは、この下にpontionさんが記述している内容で「微妙な位相差が取りきれずクシが出そう...」という部分にも関係
し、結果としてメインマイクの定位を損ねる結果となることが想像されます。

>masaさんはアンビマイクに入る直接波の扱いを気にしておられますが、私も重要だと思います。
>なぜかといと、メインとアンビの2箇所収録のため直接波が2度来てしまうからです。直接波と1次反射波郡ひとつずつとは
>音色がまったく異なりますから、アンビマイクの信号をそのままメインにミクスするとアンビマイクに入る直接波がとても
>目立ちます。結果オーライな人はこれを"1次反射波の一発目"と見立てて適当にバランス取っちゃいます。要は低め調整ですね。
>ところで脱線しますが、ミクス比を気にしておられた方がいらっしゃいましたが、メインマイクの位置での直接音とアンビ
>マイク位置での残響音を同時に聴きたいのであれば原理的に同比(1:1)ですね。しかしアンビには強烈な直接音が1波めに
>入って来るので、遅延を掛けないでミクスするにはこいつが一次反射波のようなレベルになるように低め調整しないと自然な
>感じにならない。よって-10dBとか-15とかに下げざるをえない。おかげでアンビに含まれる肝心の1次〜高次反射波が低く
>なってしまう。
>masaさんは先ずアンビとメインの直接波を一旦重ねることを提案なさってます。ここで興味深いのはこの重ねた状態で、
>アンビマイクの直接波がメインのそれに隠れてしまって目立たないので、そのぶんアンビのレベルが上げられるという
>ことです。微妙な位相差が取りきれずクシが出そうですが長距離空気伝播でボヤボヤになっているから干渉はあまり判ら
>ないでしょう。しかし、この方式はアンビをかなり進み調整しますから、残る初期反射波が早すぎるんですね。後部残響音は
>時間に鈍感ですから50mSぐらいの調整は平気ですが、初期反射が早いと濁り感が大きくなり息苦しくなります。
>このアンビマイクの直接波がかなり影響している様子は、サンプリングリバーブを用いてIRデータから直接波だけを切り
>取ってコンボリューション掛けてみてもよく解ります。
>
>要は、アンビマイクの信号から直接波を切り落とせない限り原理的に大きな不整合があり、それがどれぐらい感知されて
>しまうかで"自然な残響"に聴こえるかどうかが決まります。ここで聴感で自然な位置に遅延を調整すると、アンビの直接波を
>メインの初期反射一発目と錯覚するあたりに調整されるのでしょう。レベルも相当下げなければなりません。
>というかアンビマイクをホールの後ろのほうに吊る習慣は、自由に遅延が付けられなかったアナログ録音時代の"生活の知恵"
>でしょう、直接音のレベルのだいぶ落ちますし。

「アンビの直接波をメインの初期反射一発目と錯覚するあたりに調整」
これはとても興味深いです。これを実現するには反射音と直接音の比率が2:1くらいになる場所にアンビマイクを置く必要
がありそうです。そうすれば後部残響音は充分なレベルを保つことが出来そうですし。

>でもアンビの直接波をメインの波形を使って打ち消すなんてのも出来ないでしょうから、結局のところ不整合の無いホール
>トーンの収録方法は、メインマイクの指向性をコントロールするか、メインマイクの位置で後ろ向きにマイクを付ける..
>ぐらいしか思いつきません。"後ろ向き"はフラムを揃えても高域の位相が合いませんからサラウンドのリアぐらいにしか
>使えないでしょうけどね。

やはり、球面フラムでしょうか(^_^;)。
しかし、吊りの位置だとどうしても反射音は直接音に比べ著しく低いレベルになってしまうので、現実的な方法とはいえない
かも知れません。客席方向に向かってのみ大きなレベルで録れる構造があれば良いのでしょうが.....。

>ちなみに、SONORITEさんのおっしゃるデンオンの時間補正の件は、アンビでなくステージ上の補助マイクのことですから、
>ちょっと状況が違いますね。(実はこの話はガセビアだという情報もありまして、そういう検討はされたが実際には行わな
>かった..とか)

DPAのサイトにサポートマイクロフォンとメインマイクロフォンの遅延を調整することは非常に有効であるとの記述があ
りましたが、アンビエンスマイクとの遅延調整については確か触れられていなかったように思います。

pontionさまへ
自分が今まであれこれとシミュレートしていたことが、ある程度正しかったと思うことができ、また、新しい考察も与えて
いただきありがとうございます。

皆様へ
超長文となりまして失礼いたしました。

投稿日 : 2005年11月02日 03時59分
投稿者 JONY
Eメール esprit-chord@mbp.nifty.com
タイトル Re: Re: Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
 pontion さん、masa さん、みなさん、こんにちは。

 アンビエンスマイクが捉える音波についての考察、いかにも pontion さんらしいと思いました。

 具体の考察については、masa さんがなさっていますので、私からは触れません。
 録音手法について、感じたことを。

>こいうの考察するときは、なるべく音源から耳までの伝達関数を考えると解りやすいし、聴感が
錯覚しているなどに気づけます。

 私自身の感想ですが、masa さんの録音は、いわば聴感の錯覚をあえて利用した方法と言えると
思います。
 ある程度の耳があれば、マイクセッティングの説明がなくとも、あの録音がワンポイント録音
ではないことはすぐにわかりますし、正確な音場を再現しているのではないこともわかります
(聴衆のザワザワがステージの上に重なって聴こえるところなど)。
 そういう意味では、理論上、不自然といえば不自然ですが、masa さんは、正確な音場の再現を
至上命題にはされていないと思いました。それはそれでよいと思います。
 あえて、耳がだまされているとわかった上で音楽として聴かせ、音楽を聴く、というのもよし、
こんなふうに「空間の中の楽音を聴かせる」手法もあるのだな、と。

 私自身、正確な音場の再現にこだわってきましたから、pontion さんの残響音についての考察は、
私の考察とほとんど共通していますし、考えたとおりにやってきました。ポーラーパターンの
正確さにこだわったり、ノーズコーンを多用するのもそのひとつです。
 でも正確な音場を再現する録音手法が、必ずしも音楽の感動を呼ぶわけではないなぁ、という
感覚もあり、そこのところが私の最近のテーマでもあります。

 過去の名盤には、マルチマイクモノラルやマルチマイクステレオなどいろいろな方法のものが
ありますが、技術的不完全なものの中にも、芸術家や技術者の意志がこめられていて、感動を呼ぶ
音楽が再現されるのを体験すると録音芸術ってなんなのかと考えてしまいます。

投稿日 : 2005年11月03日 07時36分
投稿者 Wald
Eメール
タイトル Re: Re: Re: Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
masaさんこんにちは、
私のほかのレスについてまで対応されているようなので、私からも徒然、、、。
「リング」はメイキング映像も残ってますね。歌い手の場所の演出、道具の移動なども映っています。
当然スピーカーで再生した場合の位置を考慮しての事ですね。

さて、まず、pontionさんの御意見ですが、あくまでもpontionさんの録音方式等でのみから見た考え方ですね。
もちろんすべてが相容れないとも申しませんが、ここは、masaさんへということで、あくまでも私の考え方で、、。

でも皆様、お分かりのようですね。
あまり時間を取れないので、貼り付けも多用しますが、
>正確な音場の再現を
>至上命題にはされていないと思いました。それはそれでよいと思います。
>あえて、耳がだまされているとわかった上で音楽として聴かせ、音楽を聴く、、、、
正弦波ではなく音楽を録音しているのであたりまえといえばあたりですね。
>私の経験では、ヘッドフォンで聴くよりもスピーカーから再生したほうが「馬脚」を現
>しやすかったと思います
私は、通常はヘッドフォンではなく、基本はSPで聞くことだと思います。
実際、皆さんもご存知のように、クラシックの市販CDで、ワンポイント録音のものは、
ほぼありません。ヘッドフォン試聴専門の物は、さらにない、、。
これは、一般的には、受けとめなければならないひとつの現実です。
この現実を否定するのは、勝手ですが、そういう場合の論議は、乖離が激しすぎるので、
私としては、パスしたいと思います。

masaさん 申し訳ないのですが、、
masaさんの方法は、残念ながら、たまたまの結果オーラーイでしかありありません。
色々な教科書を読んでいるようなのでお分かりかと思いますが、50cm4006のA-Bの録音
方式では、基本的にアンビを使うことは、理論上ありません。
ただし、同じ4006でも、pontionさんの角度、マイク幅だと、ぎりぎりありかも、、、です。
(これまでに書かれた内容からの判断で、実際を知らないので、「ぎりぎり」「かも」とします)
アンビをワンポイントのようにするという実例では、小澤さんの第九(日本録音)があります。
うろ覚えですが、メインがデッカツリーで、アンビが4本各々、ステレオワンポイントの
ようになっていたと思いました。
ただし、位置はセンターではなく、距離が10m以内の幅が10m以内だったと思いました。
(裏をとっている時間がないので違ってたらすみません)
 またマルチトラックレコーディングなのですべてのchを使っていない可能性もあります。
アンビは、XY、ORTFのような特徴にさらに主に時間差を加えるという事です。
その範囲は、一般に教科書では10m以内といわれています。
私は、よくアンビを吊りますが、この場合は、Schopesの4のカプセル、つまり単一志向の
ORTFです。(デッカツリーの場合は、また別の理論があります。)

デンオンのティンパニーのディレイドの件は、masaさんもすでにお分かりのように、ONの
マイクについてです。「ガセ」という話も出ているようですが、その真偽はともかく、確かな
例をあげると、同じディレイドの例として、最もメジャーな独グラモフォンの4Dがあります。
これは、マイクスタンドのすぐ下にリモコンでコントロールできるHA、ADを置き、
光で送ってヤマハのデジタル卓で正確にディレイドしたりしてミックスするというやつです。
ただ、どの方式も基本的に、まずスピーカーで聞くことを前提にしています。

同じようにまずスピーカーで聞く事を前提とした方式に、フィリップスの録音方式もあります。
こちらは、モニタースピーカーでは、その聞く幅さえも規定していたりします。
一般に、どのような形であるにしても、録音時モニターしている条件と同一で聞くユーザ
ーはいないので、そんな中、ユーザー側のSPをある程度規定する方法は、ある意味画期的かもしれません。
(その効果を勉強のために聞くときは、B&Wの801で聞くといいと思います。時代によって
シリーズは色々ありますが、801であればほぼいいのではないでしょうか。)
フィリップス方式は、映像はたくさん残っていますがバーンスタインのマーラーのシリー
ズ、クライバーのものも方式がうつっていますね。
別で、クライバーの「カルメン」は、アンビがオペラの画面を邪魔しています、、。

マイクセッティングで、マルチマイクで、ON(きわめて楽器の近く)にある場合はディレイド
しているでしょう。
私が駆け出しで、NxKの収録の研修でホールに収録に行ったとき(SONORITEさんもなじみ
のホールにも行きました)は、すでに弦に立てたマイクは、ディレイドしていました。
(中継車内の卓はアナログのニーブ)(当時は、ディレイマシンはまだ高価でしかも音が
大きく変ってしまう時代でした、アンビも使ってました。録音機はデジタルでした。)
ちなみに、多くの皆さんは、まずワンポイント録音からこの世界に入られると思いますが、
私は、マルチマイクでしか録音しない者です。これが私の立場です。
そういう立場の意見として聞き流していただければ幸いです。

ついでですが、ショップスのHPについて最初に紹介した私といたしましては、
ワンポイント録音の方式特徴については、方式の内容だけでなく、他を読んでいただくと、
ちゃんとマルチマイクについては、別の理論があると触れられていると思いました。
もちろん、多くの方は、すでにご存知だとは思いますが、、。

投稿日 : 2005年11月04日 13時 3分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re: Re: Re: Re: Re: Re: 位相とディレイ
URL
waldさま こんにちは。(直接ははじめましてですね)
よろしくお願いします。

>「リング」はメイキング映像も残ってますね。歌い手の場所の演出、道具の移動なども映っています。

ショルティのリング全曲の録音はメイキング映像をどこかで見ましたが、本当に興奮しました。
その当時の録音技術者にも「歴史に残るような仕事をするぞ!」という意気込みが感じられますし、ショルティ
や、VPOの団員にも同じように高揚した雰囲気があります。
実際、金管楽器奏者にとって「リング」は1夜ごとのの公演であってもスタミナ的に大変きついものなのですが、
この録音の時には、「失敗を恐れず演奏できるので、とても良い演奏をすることができた。」という団員(ホルン
奏者だったかな)の話しもどこかで紹介されていました。ビルギット・ニルソンのブリュンヒルデは絶品で感涙
ものですね。(自己犠牲を聴いて何度涙したことか、、)
また、「リング」といえばハンス・クナパーツブッシュの演奏&録音にもすばらしいものが残されていますね。
よくあの当時これだけ録れたものだと感心します。デッカの輝かしい歴史でしょうか。
最近のは録音は良いのですが演奏の方がどうも....。

>申し訳ないのですが、、
>masaさんの方法は、残念ながら、たまたまの結果オーラーイでしかありありません。

やはりそうですか....。(残念!)

>色々な教科書を読んでいるようなのでお分かりかと思いますが、50cm4006のA-Bの録音
>方式では、基本的にアンビを使うことは、理論上ありません。

すみません、これはどういう意味なのでしょう?

1. omniをメインに使った場合はアンビを使わない。
2. 50cmのA-B方式にはアンビは使わない。
3.そもそもA-B方式にアンビは使わない。
4.50cmの幅だからダメ。
5. 補助マイクロフォンを使わない録音でアンビはダメ。

等と、色々な意味が考えられます。
自分で勉強すべきなのでしょうが、教科書的なことではなくwaldさんの私見を御聞かせいただければ幸いです。

>うろ覚えですが、メインがデッカツリーで、アンビが4本各々、ステレオワンポイントの
>ようになっていたと思いました。
>ただし、位置はセンターではなく、距離が10m以内の幅が10m以内だったと思いました。

ということは、NOSやORTFのようなセットのマイクが、指揮者の右後方と左後方に置かれていた、
ということでしょうか?

> またマルチトラックレコーディングなのですべてのchを使っていない可能性もあります。
>アンビは、XY、ORTFのような特徴にさらに主に時間差を加えるという事です。
>その範囲は、一般に教科書では10m以内といわれています。

確かにあまり離れたところでアンビを録ってそのままミックスするとあまりにも位相の遅れが大きくて
変な音になります。概ね10m以内というのはアンビの位相はいじらないという前提では納得がいき
ます。
実際、先日の録音では概ね10m以内のところにアンビを立ててみましたが、全体の雰囲気は良く
表現されました。ただ、OMNIのA-Bだったので、レベルを上げるとメインの定位が苦しくなってしまいます。
上記の「幅が10m以内」というのは、アンビに含まれる直接音の左右位相差を確保するために行っている
と考えても良いのでしょうか?

>私は、よくアンビを吊りますが、この場合は、Schopesの4のカプセル、つまり単一志向の
>ORTFです。(デッカツリーの場合は、また別の理論があります。)

もし、1setのORTFで10m以内のところに置くとすると、直接音もかなり拾うと思いますが、これをメインや
位相調整をした補助マイクと混ぜるとせっかく正しく調整された各楽器の定位を乱してしまわないでしょうか?
仮にメインがXY方式であれば音量差のみですから、左右の位相問題はあまりないと考えられますが、NOSやA-B
であれば、一定の影響が出ることが予想されます。

...と、ここまで書いて、上の1から5の不明だった意味が少し判ってきたような気がします。
もしかして、メインに左右の位相差を積極的に使ってセパレーションを表現する方式を使った場合はアンビの
ミックスが困難になるということなのでしょうか?
そうすると一般的にアンビエンスをミックスする場合は、左右の定位を位相の遅延によるものよりは音量差
によるものを積極的に使って表現し、結果としてアンビエンスのミックスにおいて矛盾が発生しずらいように
していると考えてよろしいのでしょうか。

>フィリップス方式は、映像はたくさん残っていますがバーンスタインのマーラーのシリー
>ズ、クライバーのものも方式がうつっていますね。
>別で、クライバーの「カルメン」は、アンビがオペラの画面を邪魔しています、、。

ぜひ、見てみたいと思います。

>ついでですが、ショップスのHPについて最初に紹介した私といたしましては、
>ワンポイント録音の方式特徴については、方式の内容だけでなく、他を読んでいただくと、
>ちゃんとマルチマイクについては、別の理論があると触れられていると思いました。

時間をとって、もう一度良く読んでみたいと思っています。

色々とありがとうございます。m(_ _)m
また、大変お忙しいところ、質問責めのようになってしまい、申し訳ありません。
お気が向いたときに、ご返答いただければ幸甚です。

投稿日 : 2005年11月04日 22時38分
投稿者 ミュー太
Eメール
タイトル Re:位相とディレイ
URL
アンビを組み合わせる時は、XYやMSがメインの場合がほとんどです。

投稿日 : 2005年11月08日 17時45分
投稿者 masa
Eメール trumpy@mtc.biglobe.ne.jp
タイトル Re: Re:位相とディレイ
URL
>アンビを組み合わせる時は、XYやMSがメインの場合がほとんどです。

ミュー太さん
ありがとうございます。
理論上はやはりそうなのですね。
また、色々と研究してみます。

クラシック録音Q&A過去ログ