| 投稿日 |
: 2005/07/06(Wed) 03:01 |
| 投稿者 |
: 小林 |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: 遠距離での録音の仕方 |
| URL |
: |
はじめまして、小林と申します。いつも当HPを拝見させて頂いてます。
吹奏楽を録音しようと思ってるのですが
やむを得ぬ事情により
合奏体とマイクの距離がかなり離れた状況でやる事になります。
具体的にはホール録音で二階最前列から録音する・・・
といった感じです。
現在録音機材を買い始めている状況で
これからミキサーとマイクを購入しようと思っております。
そのような遠距離録音の場合、マイクはどんな物を使用すれば
良いのでしょうか?
大して予算もありませんが、今の所、RODEのNT2二本か、NT4、
AUDIO TECHNICAのAT3032二本、のどれかにしようかと思ってます。
果たして、指向性があった方が良いのか無指向が良いのか
わからず迷っております。
オーディオインターフェイスはRolandのFA-66を使用して
CPU及びHDに録音するつもりです。
もしよろしければご教授お願いします。
| 投稿日 |
: 2005年07月06日 05時11分 |
| 投稿者 |
: YK |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: Re:
遠距離での録音の仕方 |
| URL |
: |
使用するマイクは指向性があった方が良いと思います。
2階最前列とのことですが、ホールの規模がどれくらいか判りませんが、
パチパチと奏者が並ぶような音で取れるとは考えない方が良いかとおもいます。
| 投稿日 |
: 2005年07月06日 11時49分 |
| 投稿者 |
: 海苔好き |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: Re:
遠距離での録音の仕方 |
| URL |
: |
私もYKさんと同意見です。
AUDIO TECHNICAのAT3032は無指向性なので遠距離には不向きです。残響を拾いすぎます。
本当ならば、音響担当者に掛け合って吊りマイクのラインを分けていただいた方がよろしいかと思いますが、無理なんでしょうねえ。
どうしてもAUDIOTECHNICAを選びたいのならAT3031の方がよろしいと思います。
また、XYのNT-4も遠距離には向きません。遠距離だとモノラルの様になります。これも近距離向けと言っても良いと思います。3m以下の距離かなあ。
私が選ぶとしたら、NT-5も候補に加えて、NT-2,AT3031でNOS方式を基本とするぐらいの選択ぐらいしか思い浮かびません。
AB方式は単一指向性は使っても余計に定位らしさが失われますのでお勧めできません。
このように遠距離で収録を質問がありますが、もっと詳しく書いてある箇所があったと思いますが、レス番号を忘れていますのでご容赦下さい。
| 投稿日 |
: 2005年07月06日 22時15分 |
| 投稿者 |
: pontion |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: Re: Re:
遠距離での録音の仕方 |
| URL |
: |
小林さん、pontionです、よろしく、
"録音"というと、どうも経験則が多いですが、それだと状況が違ったときに応用が利かないので、
ここはちょっと「何故なの?」と原理を考えてみました。
まず人間が定位を感じる2大要素は左右の耳への音波面の時間差とレベル差です。
加えて主に1次反射音のパターン構成で取り囲む空間の形状を知り、音場の中に音像をイメージします。
音源とマイクポジションが限定されてしまうと、あとはステレオマイクのレベル差(指向性と開角)とカプセル間
距離で定位感を調整することになります。
左右のレベル差が大きいと再生では左右に大きく拡がり、時間差が大きいと同じく左右に大きく拡がる方向です。
A-B式は基本的に時間差だけで定位を作る方式ですから、音源からA,Bそれぞれのマイクまでの距離差を考えると、
2階席から見込んだ音源配置の拡がり角は狭くなりますから、そのままではA,Bでの時間差が小さくなります。
なのでステージ音源に対する拡がり感は少なくなります。一方ホール残響はマイクに対してあらゆる方向から
入ってきますから2階席のA-Bマイクに対してもたっぷりと時間差が生じます。ステージ音源に対してA,B時間差
を回復するにはA-Bカプセル間距離をさらに大きく離す補正をしますが、残響に対しては時間差が付き過ぎます。
さらに2階でのステージ音源直接音は音圧的に弱いままで、残響が相対的に大きいのは野放しです。よって
海苔好きさんも仰るように「余計に定位らしさが失われます」なもやもやした過度な反射音に埋もれたキレの
悪い音となります。
NOSやORTF式の定位はマイクの指向性による左右レベル差と、カプセル間距離によるほどほどの時間差の両方です。
遠い音源で拡がり角度が小さくても左右レベル差を付けるには、更に指向性の狭いカプセルが適しています。
これは印距離での残響の入りも減る方向なので音もスッキリします。
ところが狭指向性で手頃な製品はあまりないですよね。なので、同じ指向性マイクでもちょっと工夫して、
指向性の傾斜が大きい部分を使って左右のレベル差を稼ぎます。たとえば、普通単一指向性マイクでは
同じ60度幅のレベル変化でも0度から60度のレベルの落ちよりも30度から90度でのレベルの落ちのほうが
大きいです。この、より落ちの大きい範囲に音源方向を持ってくると拡がり感が大きくなります。
具体的には単一指向性マイクを、いつもより多少角度を開きめ(90度ぐらいとか)にします。同時にA-Bの
ときと同じ原理でカプセル間距離も5cmぐらい離しめにするなど。
ただし、問題もいろいろあって、軸をあまり外すと音色に難が出てくるマイクが多かったり、ステージ音源
よりも外側に対する感度が不要に上がってしまいますから客席ノイズを拾いやすくなったりします。
NOS,ORTF系方式を変形アレンジするのが良いとは思いますが、いずれにせよ緊急回避的な対応なので、良い位置に
マイクを持っていく努力はしてください。これはかなり決定的で、カメラの望遠レンズのように簡単に画角を調整
できると考えていると、ずいぶん違うと思いますよ。
オーディオIFのRoland
FA-66
は、この大きさと価格では良い音質のプリ&A/Dだと思います。
私も同社のUA-25を使ってみましたが、小型安価な製品にありがちな高域に片寄った軽い音ではなく、バランスの
良い本格的な音と聴きました。
| 投稿日 |
: 2005年07月08日 00時52分 |
| 投稿者 |
: 小林 |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: Re: Re: Re:
遠距離での録音の仕方 |
| URL |
: |
YK様、海苔好き様、pontion様、ご回答ありがとうございます。
参考にして励みたいと思います。
マイクはRODEのNT2かNT5を考えてみようかと思います。
ホールは1200人ぐらい入るホールです。
ですがコンサート用では無いので全然響きません。
マイクのセッティングですが、合奏体に向けて(二階席からだと斜め下に向けて)
さらにマイクを外側に向けるとよいのでしょうか?
それとも外側には向ける必要がないのでしょうか?
残響との兼ねあいなどで自分で色々試してみようとは思っているのですが
皆様に何かご指摘頂けると幸いです。
あと、マイクとマイクの間は距離を置いた方がよいのでしょうか?
三点吊り何かだと60cmとかのステレオバーでやるかと思うのですが・・・。
何か質問だらけですみません。
自分で色々試しますが何分初心者なもので・・・、
少しでも知識が身に付けばと考えました。
| 投稿日 |
: 2005年07月08日 19時45分 |
| 投稿者 |
: 海苔好き |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: ショップスの資料 |
| URL |
: |
この下の表は、ステレオペアマイクの基本セッティングですのでよく目を通した方が良いです。
http://www.schoeps.de/E-2004/overview-stereo-techs.html
このホームページに103ページに及ぶ資料がもっとも理解を深めるのに好都合のですが、ドイツ語ですので,.......。
pontionさんが的確に簡潔にまとめられていますが、
人間が感ずる定位感覚は
1、左右耳の音量差
2、左右耳の位相差
3.
音色差
です。
無指向性マイクから考えてみましょう。
まず、無指向性マイクの左右距離を0とします。
この場合無指向性マイクは全方向から均一の音量が記録されるので左右の音量差は生じません。音源が右から鳴っていても左から鳴っていても音量差が生じません。また、マイクの左右距離は0ですので音源からの両マイクの距離は等しく、位相差は有りません。従ってモノラルになります。
次に無指向性のマイクの両方の距離を離していくと正面以外の斜め方向の音源は両マイクの距離は異なってきます。したがって位相差が生じます。音量差はほとんど生じません。これがAB方式です。AB方式は場内の雰囲気感収録に優れています。
しかしマイクの距離を離し過ぎると、中抜けになりますから、ちょうど良い間隔があります。ショップスの資料は40〜80cmとなっています。それ以上離す場合もあります。
この方法は、無指向性マイクを使っている性質上、まわりからの反射音を良く拾うので、わりと合奏団の近くにセッティングして直接音を多く録るようにします。しかし近づき過ぎますと両マイク距離に従う音波長の関係で逆位相になる周波数があり、定位が不安定になる場合があるので注意が必要です。音程によって左右に定位がバラケルような感じです。
次に単一指向性マイクを正面に向けて両マイクの距離を0にすると考えます。これも無指向性マイクで考えたように音量差は0、位相差も0であり、モノラルとなります。
次に距離を0のまま角度を開いていきます。そうすると単一指向性はマイク正面から斜めに角度をもうけると音量が下がってきます。
たとえば、マイクユニットを左右正面から45度に開くとします。もし音源が右45度にあるとすると右マイクは正面で一番感度が高く、そして左マイクは90度の角度がついているのでそのマイク特有の指向特性に従って音量が下がります。
また、左右のマイクの開き角度を大きくし過ぎると正面の音量が小さくなり、これも中抜けとなります。
このように音量差だけで位相差を0してステレオ感を出す方法があります。これがXY方式です。
この方法の特徴は位相差がないのでAB方式のように音程によって定位が不安定になることはなく、近距離での収録に向いています。
しかし音源から遠くだとあまり良いステレオ感は得られるのが難しい。
ここまで理解されるとNOS,ORTFが理解しやすくなります。
ORTFはマイクユニットの距離が17cm(左右鼓膜の位置)で位相差、左右のマイクの開き角度110度で位相差と音量差を加えています。またNOSは30cmと90度の角度です。
この方式は定位角度がハッキリと出る方法です。両マイクの距離を離すと雰囲気感がでてきますが、定移感が薄れます。また、角度を開き過ぎると中抜けになります。また、直接音を拾う割合が減りますから反射音を多く拾ってしまいます。
ここまで読むとマイクの開く角度と距離の関係が理解できると思います。
そういうわけで資料に書いてある方法、NOSならば30cm90度、ORTF
17cm110度という推奨値から始めてみた方が近道です。
大雑把に書いてみましたが、こんな所でしょうか。間違っていたらごめんなさい。
1、左右耳の音量差
(XY)
. ↑
. ORTF
. NOS
. ↓
2、左右耳の位相差 (AB
高域で指向性が生じるマイクがほとんどだから角度を付ける場合がほとんど)
3. 音色差(強いて言えばバイノーラル、Jecklin
Disk,KMF)
しかし、できるだけ音源の近くでとった方が良いですよ。交渉できるのならやってみた方が良いですよ。
| 投稿日 |
: 2005年07月08日 23時51分 |
| 投稿者 |
: 小林 |
| Eメール |
: |
| タイトル |
: 海苔好き様 |
| URL |
: |
なんとわかりやすい説明でしょうか!
ありがとうございます。
>なんとわかりやすい説明でしょうか!
たぶん小林さんは、何か"やり方"あるいはウゴカシ処のようなものを得られた気持ちでいらっしゃるんだと
思いますが、兎に角カラダで覚えろ..ですから、初めから決めちゃうんじゃなくて、リハーサル中にいろいろ
マイクの角度と距離を振って(パラメーターは2つですからマトリックスでちゃんとやってくださいね)、どう
聴こえるか今後のデータとしてください。
しかし普通ホールの2階客席っていって想像する距離では絶望的に遠いですよ、
マイクアレンジでなんとかしようという気も起こらなくなる距離です。
天吊りマイクがだめなら、せめて前方の客席にブームスタンドを伸ばして立てられませんかねえ?